【2026年】年頭のご挨拶として

シルバーリボン運動にご賛同くださる皆さま、昨年は大変お世話になりました。
引き続き、本年もよろしくお願いいたします。
私事になりますが、普及啓発活動を行うようになってから20年が経過しました。20年という年月は、いま改めて振り返ると、あっという間だったように感じます。
当時(2006年)は精神疾患に対する認知が今ほど浸透しておらず、そのような話題に触れることだけで、タブー視されるような風潮すらありました。
しかしながら、精神保健医療福祉に関連する法制度では障害者自立支援法や自殺対策基本法が施行されたりして、今後の精神保健医療福祉分野の進展が期待される年だったようにも思います。
専門知識や人脈はもとより、学歴も社会経験も活動資金も持ち合わせていなかった私は、当時まだ存在していた全家連という全国組織を幾度も訪ねて、効果的な普及啓発活動を行うためにはどうしたら良いかと助言を仰いだことをよく覚えています。
20年という年月を経て、当然ながら世の中は目まぐるしく変化していきました。私たちの日常を見渡してみても、物品やシステム等々、大きく様変わりしてものは多々存在しているものと思います。
そのように、変わっていくものもあれば、そうでないものもあるように思います。変わらないものと言えば、例えば精神疾患(障害)に対する誤解やスティグマは、現代風に姿・形を変えながらも、本質は変わらずに在り続けています。
持つ者、持たざる者と言われるように、国内外問わず格差というものがじわりじわりと広がり、憂慮すべき状況にありますが、時の流れという事象は誰にとっても平等です。
時間をどのように使う、もしくは使えるかは、その人が置かれる立場や状況、考え方等によって様々ですが、どんなに優れた人だって、時の流れを止めることはできません。
今この時だって、筆舌に尽くせないような困難を抱えている人はたくさん存在するでしょう。
しかし、そんなギリギリの状況が、永遠に続くということはありません。前述したように時は誰にとっても平等に流れ、それにより中身はどうであれ状況は必ず変化するからです。諸行無常、または有名アーティストの歌詞にもあるように、時は無情なほどすべて(物事)を洗い流してくれたりもしますので。
不本意かつ想定外の出来事は、人生において大なり小なり誰もが避けられないことでしょう。例えば精神疾患に罹患するといったことも、それに類するものだと思います。
厳しい状況下をひたすら耐え続ける人、不安に打ちひしがれながら懸命に踏みとどまる人、不条理や理不尽に押しつぶされそうになりながらもあがいている人、それらを身近で見ながらも力になれずに立ち尽くす人。
このような経験は、できるなら回避したいと思うのが一般的なのかも知れません。しかしそれらを経験し、それに耐え、乗り越えてきた人は強いと心より思います。
精神疾患は珍しい病気ではありません。誰が罹患しても不思議ではありません。そして誤解されているような、弱いから罹患するという病気でもないと付け加えさせていただきます。
弱いから精神疾患に罹患する訳ではなく、精神疾患という病気に罹患したから、弱ったり迷ったりする状態にあるという方が正しい理解ではないでしょうか。
むしろ精神疾患(障害)を知る者は強い、このように思いますし、これを多くの人に発信しつつ、私自身それを証明していきたいとも思います。
取り留めもなく思っていることを書き綴ってみましたが、こちらを年頭のご挨拶に変えさせていただき、皆さまにとって「良し」と思える一年となりますよう、心より祈念しております。
特定非営利活動法人シルバーリボンジャパン
代表 関 茂樹
